手紙の書き方、第三弾は「時候のあいさつ文」です。
あらたまった手紙には、手紙の書き出しに季節感を表現する時候のあいさつを用います。
時候のあいさつは、四季を大切に考える日本人ならではの素敵な文化ですね。
色々な表現がありますが、決まりきった定型文ではいかにも儀礼的でサラリと読み流されてしまうでしょう。
あまり堅く考えすぎず、自分が感じる季節感を自分の言葉で表現することも大切です。
時候のあいさつの使い方
時候の挨拶は、頭語(「拝啓」「謹啓」などの手紙の前文で書くことば)に続けて書くあいさつ文です。
前文を省略する意味で使われる「前略」を頭語に使うときは、時候の挨拶は書きません。
「あらたまった手紙」と「親しい人に宛てる手紙」の違い
あらたまった手紙には「~の候」「~のみぎり」「~の折柄」という表現がよく使われます。
「早春の候」「晩秋の候」など、短く簡潔に季節感を表すことできるので使いやすい表現です。
時候のあいさつとしては定番ですので、儀礼的な手紙や文書に適しています。
ただ、親しい人への手紙であれば、儀礼的な文章は少し面白みに欠けるという点は否めません。
自分自身が感じている季節感を、自分の言葉で表すことができると、相手もあなたをグッと近くに感じることができるでしょう。
自身が感じた季節感を大切にする
大切なのは、なんといっても自分自身が季節を感じることです。
普段は無意識のうちに通り過ぎてしまうような、ほんの些細な感情でいいのです。
暑さや寒さ、空、雲、街路樹、庭先に咲く花、食べ物、行事・・・。
たとえ都会暮らしであっても、道行く人のファッションやスーパーに並べられた食材など、季節はあらゆるところにあふれています。
そのとき感じたことに心を留めてみましょう。
「野菜売り場にタラの芽を見つけ、今年は行けなかった実家の裏山が妙に気になっています」
「卒業式に向かう袴姿に、あのとき送り出してくれた先生の笑顔を思い出します」
「金木製の香りがなんとも心地よくて、南向きの窓を開けました」
こんな感じです。
五感(視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚)で感じた季節を素直に文にしてみましょう。
季節を一歩先取りする
季節の移り変わりは速いものです。
そのとき感じた季節感は、あっという間に過去のものになってしまいます。
過去の出来事になってしまう前に、書いた手紙はすぐ投函しましょう。
できれば季節を少し先取りするくらいが時候のあいさつとしては粋ですね。
時候のあいさつを省く手紙
お詫びの手紙は、何よりも先にお詫びの気持ちを伝えることが大切です。
そのため時候のあいさつは省き、すぐに本題に入ります。
お見舞いの手紙も同様です。
まずは、相手の体調を気遣う気持ちを伝えましょう。
また、前文を省略する意味で使われる「前略」を頭語に使うときは、時候のあいさつは書きません。
旧暦の「二十四節気」で季節を表す
私たちが普段慣れ親しんでいる「春・夏・秋・冬」とは別に、日本には「二十四節気」という季節の分類があります。
これは、1年を24の期間に分ける季節変化の指数です。
今でもよく耳にする「立春」「立秋」「夏至」「冬至」なども二十四節気の一つです。
季語や時候は、この二十四節気にもとづいて考えられるものが多いので、実際の暑さや寒さとはズレが生じてしまう場合があります。

この記事では、なるべくわかりやすいように月ごとに紹介していますが、基本的には二十四節気をもとにしています。
時候のあいさつ例(春:2月~4月)

立春(2月4日頃)から立夏(5月6日頃)の前日まで、暦の上では「春」です。
日ごとに暖かさが増し、春の訪れを喜ぶ季節です。
時候のあいさつには、草木の緑や香り、澄んだ青空や心地よいか風などを連想させる表現がよく使われます。
2月【如月(きさらぎ)】
一年でもっとも寒さが厳しい季節です。
とはいえ、2月3日には「節分」、2月4日頃には「立春」と暦の上では春が始まります。
寒さの厳しさを表現して相手の安否を気遣うあいさつや、春の訪れを感じる表現にしてみましょう。
時候:
睦月、春寒、余寒、立春、早春、遅春、旧正月、雪解、残雪、薄氷
生活・行事:
蕗味噌、白魚飯、野焼、海苔掻き、バレンタイン、春スキー
植物:梅、紅梅、猫柳、蕗の薹(ふきのとう)、雛菊、水菜、春菊、ミモザ、ヒヤシンス
動物:公魚(わかさぎ)、鰔(さより)、鶯(うぐいす)、飯蛸(いいだこ)
- 立春、残寒、残雪、季冬、春寒、向春、余寒、雪解、梅花など
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 余寒厳しき折柄
- いくらか寒さもゆるみ
- 東風吹く季節
- 梅便りが聞こえる今日この頃
- 暦のうえではもう春
3月【弥生(やよい)】
・3日 雛祭り
・5日頃 啓蟄(けいちつ)
・13日 お水取り
・18日 お彼岸入り
・21日頃 春分の日
気候も暖かく、草花が本格的に芽吹く気持ちの良い季節です。
合格や卒業といった締めくくりの月でもありますね。
時候:
仲春、如月、春分、彼岸、春社、三月尽
天文・地理:
春一番、鳥曇 、雪の果、彼岸西風、山笑う
生活・行事:
雛祭、桃の節句、山葵漬、田楽、蕨餅、菱餅、雛あられ、白酒、受験、卒業、春休み、進級
動物:
燕、白鳥帰る、帰雁、 子持鯊(こもちはぜ)、鰆(さわら)、鯡(にしん)、鱒(ます)
植物:
彼岸桜、牡丹の芽、芍薬の芽、菖蒲(あやめ)の芽、木の芽、菜の花、ヒヤシンス、スミレ、沈丁花、独活(うど)、蒲公英(たんぽぽ)
- 早春、春暖、陽春、春雪
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 桜前線の便りも聞かれ
- やわらかな春の日差しに心躍る季節となりました
- 寒さ暑さも彼岸までと申します
- ひと雨ごとに暖かさがまして
- 桜の開花が待ち遠しい毎日
- 春風が心地よい季節になりました
- 卒業の季節、まぶしい袴姿を目にします
4月【卯月(うづき)】
・1日 エイプリルフールの日
・5日頃 清明(せいめい)
・8日 花祭り
・13日 十三参り
・13日頃 イースター(復活祭)
・21日 穀雨(こくう)
・29日 みどりの日
桜や花水木など、春の花が次々と咲き乱れる眩しい季節です。
また、入学、進学、新社会人にとっては晴れやかな出発の季節でもあります。
年々暖冬になっていますので、花の開花時期に合わせて適切な表現にします。
また、春の花の見ごろは短いのが特徴です。手紙を出す頃にはすっかり散っていた・・・とならないように注意しましょう。
時候:
晩春、弥生、清明、若草、春風、八十八夜、行く春、長閑(のどか)
天文・地理:
菜種梅雨、花曇、鰊曇、蜃気楼、潮干潟、苗代
生活:
桜餅、草餅、花見、夜桜、種蒔、茶摘、汐干狩、新入社員、入学
動物:
蝶、若駒、桜鯛 、鰆(さわら)、鱒(ます)、若鮎、雲丹(うに)、蛤、浅蜊、栄螺(さざえ)、鮑(あわび)
植物:
桜、山桜、八重桜、芝桜、花水木、ライラック、桑、シクラメン、菜の花、チューリップ
- 陽春、仲春、桜花、暮春、春暖、花冷え
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 桜花爛漫の折から
- 春たけなわの頃
- 清和のみぎり
- 花冷えの日が続いております
- 先週見頃を迎えた桜に、行く春を惜しむこの頃
- やさしい春風を頬に感じる季節
- 若草が萌えたち春も深まってまいりました
時候のあいさつ例(夏:5月~7月)

暦の上での夏は、5月6日(立夏)から、8月8日頃(立秋の前日)までです。
爽やか季節ですが、徐々に日差しの暑さや蒸し暑さ、梅雨のうっとうしさを感じる季節でもあります。
相手の身体や体調を気遣う言葉を添えましょう。
5月【皐月(さつき)】
・1日 メーデー
・2日頃 八十八夜
・3日 憲法記念日
・5日 こどもの日、端午の節句
・6日頃 立夏
・第2日曜日 母の日
・15日 葵祭(あおいまつり)
・17日 三社祭(さんじゃまつり)
・21日頃 小満(しょうまん)
緑が眩しく、一年でもっとも過ごしやすい季節ですね。
近頃の5月は真夏並みの暑さを感じる日もあります。
時候:
卯月、清和、立夏、夏浅し、夏めく、薄暑、五月尽
天文・地理:
走り梅雨、卯月曇、卯波、青葉潮、代田
生活:
鯉幟(こいのぼり)、菖蒲湯、母の日、柏餅、新茶、麦刈
動物:
初鰹、豊年虫、穴子、鱚(きす)、鯖(さば)
植物:
薔薇、牡丹、花水木、カーネーション、マーガレット、筍、蕗、麦、苺、新樹、若葉
- 晩春、新緑、薫風、惜春、立夏、薄暑、若葉、葉桜
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 薫風のみぎり
- 風薫る爽やかな季節
- 若葉の緑が眩しい季節を迎えました
- 強まる日差しに早くも日陰が恋しい今日この頃
6月【水無月(みなづき)】
・1日 衣替え
・6日頃 芒種(ぼうしゅ)
・10日 時の記念日
・11日頃 入梅
・第3日曜 父の日
・21日頃 夏至
梅雨に入り、うっとうしい季節です。
こんなときだからこそ、気持ちが前向きになる言葉を添えたいですね。
時候:
仲夏、皐月、芒種、田植時、入梅、梅雨寒、夏至、白夜、半夏生
天文・地理:
梅雨、梅雨空、五月雨、五月晴、富士の雪解、植田
生活:
父の日、菖蒲湯、花の日、田植、田下駄、新真綿、蛍狩
動物:
海亀、 蚕蛾、蛍、鰻、雨蛙、鮎、鵜飼、鯵
植物:
紫陽花、花橘、百日紅、あやめ、芍薬、さくらんぼ、杜若(かきつばた)、ラベンダー
- 初夏、向暑、入梅、梅雨、麦秋、黄梅、薄暑、梅雨寒
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 梅雨空のうっとうしい季節となりました
- 木々の緑が雨に打たれて一層濃く映ります
- 初蝉の声が聞こえるこの頃
- 紫陽花が日ごとに色づいてきました
- 待ちに待った鮎漁が解禁になりました
7月【文月(ふづき)】
・1日 山開き、海開き
・7日 七夕
・7日頃 小暑(しょうしょ)
・上旬~ お中元
・17日 祇園祭
・第3月曜日 海の日
・20日頃~ 暑中見舞い
・23日 大暑(たいしょ)
暦の上で、7月7日の小暑から8月の立秋の前日までが挽夏です。
まだまだ暑さの真っ只中ですが、7月23日の大暑を過ぎたら残暑見舞いに変わります。
時候:
晩夏、小暑、梅雨明、冷夏、炎昼、土用、盛夏、灼くる、夏の果、秋を待つ
天文・地理:
旱星、土用東風、熱風、涼風、朝凪、夕凪、 雲海、夕焼、炎天、赤富士、雪渓熱砂、青田
生活:
帷子、甚平、すててこ、土用鰻、冷し瓜、かちわり、暑気払、冷房、避暑、納涼、登山、キャンプ、プール、海水浴、花火、暑中見舞、夏休み、帰省、夏期講習、林間学校、ビール、ソーダ、アイスクリーム
動物:
雷鳥、玉虫、蝉、空蝉、髪切虫、天道虫
植物:
向日葵、百合、月見草、松葉牡丹、ハイビスカス、月下美人、夕顔、胡瓜、茄子、トマト
- 盛夏、猛暑、大暑、炎暑、酷暑、灼熱、猛暑
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 暑さ厳しき折
- 長かった梅雨も明け、いよいよ暑さも本番です
- 梅雨明けの暑さもひとしおに感じられます
- 遠く花火の音が聞こえる季節となりました
- 暑さが日ごとに増し、寝苦しい夜が続いています
- 子ども達は楽しみにしていた夏休みを迎えました
- 夕涼みをしながら飲むビールは格別です
時候のあいさつ例(秋:8月~10月)

立秋(8月8日頃)を迎えると暦は秋になります。
山々の緑が徐々に色づき、美しい季節です。
また、豊かな海の幸山の幸に感謝して秋の恵みを表現してみましょう。
8月【葉月(はづき)】
・1日 ねぶた祭
・6日 広島原爆の日
・7日 仙台七夕祭
・8日頃 立秋
・9日 長崎原爆の日
・15日 お盆、終戦の日
・16日 送り火、精霊流し
・20日 土用
・23日頃 処暑(しょしょ)
厳しい暑さが続いていますが、暦の上では8月8日頃の立秋から9月8日頃までが初秋です。
徐々に暑さも和らいでホッと一息できるような時候のあいさつがいいですね。
時候:
初秋、文月、立秋、残暑、秋めく、新涼、処暑、八月尽
天文・地理:
盆の月、天の川、秋の初風、盆東風、秋の雷、盆波
生活:
新豆腐、焼米、送火、花火、線香花火、相撲、燈籠、小鷹狩、休暇明、高校野球
動物:
荒鷹、鰹の烏帽子、秋の蛍、蜩(ひぐらし)、法師蝉(つくつくぼうし)、鈴虫、松虫
植物:
大豆、山葡萄、冬瓜、西瓜、朝顔、鳳仙花、蕎麦の花、露草、ケイトウ、芙蓉、ハイビスカス
- 晩夏、立秋、残暑、残炎、新涼、秋暑、早涼、納涼
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 残暑厳しき折
- 寝苦しい夜が続いております
- 庭の向日葵も首を垂れるほどの猛暑です
- 立秋とは名ばかりの暑い日が続いております
- 朝夕はいくらか秋の気配を感じるようになりました
- 海には土用波が立ち始め、夏の終わりを感じます
- ひぐらしの鳴く声に、ゆく夏の淋しさを覚えます
9月【長月(ながつき)】
・1日 防災の日
・1日頃 二百十日
・8日頃 白露(はくろ)
・9日 重陽(ちょうよう)の節句
・第3月曜 敬老の日
・20日頃 彼岸入り
・23日頃 秋分の日
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、この時期になるとグッと涼しく過ごしやすくなります。
日が短くなり、名月、十六夜、夜長など夜を美しく表現する季語が多くあります。
時候:
二百十日、葉月、名月、秋分、秋彼岸、秋社、夜長
天文・地理:
菊日和、三日月、待宵、名月、無月、十六夜(いざよい)、宵、富士の初雪、鰯雲、落し水、初潮、不知火
生活:
栗飯、松茸飯、とんぶり、障子貼る、豊年、綿取、鹿狩、月見
動物:
秋刀魚、鮭、鰯(いわし)、秋蚕、轡虫(くつわむし)、蓑虫(みのむし)
植物:
葡萄、初紅葉、蘭、秋桜、野菊、舞茸、七草、露草、すすき、撫子(なでしこ)、秋桜、金木犀
- 早秋、初秋、新秋、新涼、白露、秋冷、仲秋
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 爽やかな季節を迎えました
- 清々しい秋晴れが続く今日この頃
- 秋の風が心地よい季節になりました
- 朝夕ようやく涼しくなってきました
- 鈴虫の音が風に乗って心地よく響きます
- 秋刀魚の美味しい季節がやってきました
10月【神無月(かんなづき)】
・1日 衣替え
・8日頃 寒露(かんろ)
・10日 目の愛護デー
・第2月曜 体育の日
・18日 菊供養
・20日 二十日えびす
・23日頃 霜降(そうこう)
・31日 ハロウィン
寒露(8日頃)から、立秋(11月8日頃)の前日までが晩秋です。
朝晩は冷え込み、いよいよ来たる冬に向けて準備を始める時期です。
深まる秋と、もうそこまで来ている冬を表現してみましょう。
「暖房をつけました」「コートを出しました」といった日常に触れてもよいですね。
時候:
晩秋、秋晴、長月、馬肥ゆる、秋寒 、肌寒、霜降、秋寂ぶ、秋深し、秋惜む、冬隣、九月尽
天文・地理:
秋時雨(あきしぐれ)、秋雪、露寒、秋の霜、刈田、高潮
生活:
案山子(かかし)、秋祭り、稲刈、紅葉狩、柚餅子、新蕎麦、新米、きりたんぽ、栗羊羹 、干柿、新酒、冬仕度、菊人形、茸狩、スポーツ
動物:
蝗(いなご)、猪、鹿、鶫(つぐみ)、雁、椋鳥、秋刀魚、花咲蟹、蜂の仔、山雀(やまがら)、啄木鳥(きつつき)
植物:
木の実、柿、林檎、栗、無花果、石榴(ざくろ)、胡桃、酢橘、柚子、金柑、オリーブ、檸檬、紅葉、楓、銀杏(いちょう)、茸、松茸、椎茸、稲、菊
- 秋涼、秋晴、錦秋、紅葉、秋麗、初霜、爽秋
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 秋晴れの心地よい季節となりました
- 味覚の秋を迎えました
- 紅葉が見ごろを迎え、行楽シーズンに入りました
- 木犀の香りがほのかに漂って
- 山も色付きはじめ、いよいよ秋の訪れを感じます
- 夜ごと鳴く虫の音に秋の深まりを感じる今日この頃
- 銀杏が黄金色に輝く錦秋の秋になりました
時候のあいさつ例(冬:11月~1月)

11月8日頃の立冬から、2月4日頃の立春の前日までが「冬」です。
いよいよ厳しい寒さの到来。
相手の身体を気遣い、こういう季節だからこそ心温まる時候の表現も使ってみましょう。
11月【霜月(しもつき)】
・3日 文化の日
・7日頃 立冬
・酉の日 酉の市(とりのいち)
・15日 七五三
・22日頃 小雪(しょうせつ)
・23日 勤労感謝の日
北の地方ではチラホラと初雪の便りが聞こえてくる頃です。
紅葉は落ち葉へ、涼しさから寒さへと変わります。
七五三や酉の市といった明るい時候のあいさつも嬉しいものです。
時候:
初冬、神無月、立冬、初霜、小春、冬浅し
天文:
凩、神渡し、時雨、初霜、小春日和
行事・生活:
七五三、九州場所、霜除、切干、冬構、目貼、鷹狩
動物:
熊穴に入る、柳葉魚、綿虫、鷲(わし)、鷹(たか)
植物:
シクラメン、柊、山牛蒡、山茶花、冬紅葉、雪割茸、茶の花、冬葵
- 晩秋、暮秋、霜秋(そうしゅう)、深秋、初霜、向寒、霜寒
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 立秋を過ぎ朝晩冷え込みが厳しくなってきました
- 穏やかな小春日和
- 近くの神社では七五三を祝う家族連れでにぎやかでした
- 落ち葉が風に舞う季節になりました
- 初雪の便りも聞こえる今日この頃
- 街ではマフラー姿を見かけるようになりました
12月【師走(しわす)】
・7日頃 大雪(たいせつ)
・8日 針供養
・13日 正月事始め
・中旬~ 歳の市(下旬まで)
・22日頃 冬至
・25日 クリスマス
・28日 官庁御用納め
・31日 大晦日
12月は冬至があり、まさに冬の真っ只中。
師走、年の瀬といった押し迫る年末を表したり、厳しい寒さの中にクリスマス、コタツ、おでんといった季語もほっと暖かい気持ちにさせてくれますね。
時候:
師走、仲冬、霜月、冬至、年の暮、小晦日、大晦日、年越
天文・地理:
初雪、名残空、初氷
行事・生活:
帯解、事納、年取、松迎え、除夜の鐘、餅つき、クリスマス、雪囲、畳替、御歳暮、年賀状、御用納、年忘れ、冬休み、ボーナス、おでん、焚火、暖房、マスク、手袋、コート、毛布
動物:
河豚(ふぐ)、鮟鱇(あんこう)、鮪(まぐろ)、鱈(たら)、鰤(ぶり) 、梟(ふくろう)、木兎(みみずく)、水鳥、鴨、狸、狐
植物:
葱(ねぎ)、蕪(かぶ)、白菜、冬至梅、ポインセチア、クリスマスローズ 、シクラメン、水仙、パンジー
- 初冬、師走、歳末、寒冷、初雪、短日、歳晩
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 早いものでもう師走を迎えました
- 今年も余日少なくなりました
- 一年が過ぎるの早いものです
- 大掃除も終わりほっと一息ついています
- 年の瀬も押し迫ってまいりました
- 年の瀬となり商店街は松飾りで彩られています
1月【睦月(むつき)】
・1日 元旦、初詣
・2日 事始め、書き初め
・4日 官庁御用始め
・5日頃 小寒(しょうかん)
・7日 七草
・10日前後 初釜
・11日 鏡開き
・15日 小正月
・20日 二十日正月
・20日頃 大寒(だいかん)
小寒(6日頃)、大寒(20日頃)を迎える寒い季節です。
新しい年を迎え、お相手の無病息災を願い縁起の良い言葉を添るとよいでしょう。
時候:
新年、元旦、初富士、晩冬、寒の入、小寒、大寒、厳寒、冬深し、春近し
天文・地理:
氷晶、樹氷、雪、吹雪、雪しまき、雪起し、寒の水、氷柱、御神渡、氷海
行事・生活:
初詣で、書き初め、雑煮、お年玉、独楽(こま)、羽子板、凧あげ、竹馬、福笑い、初売り、鏡餅、仕事始め、初夢、寒の入、松の内、成人の日、絵馬、厄払い、雪見、スキー、スケート
動物:
寒雀、白鳥、寒鰤、寒鯛、寒烏賊、八目鰻
植物:
寒梅、冬桜、寒椿、水仙、葉牡丹、福寿草、シクラメン、パンジー、シンビジウム
- 初春、新春、酷寒、厳寒、寒風、厳冬、頌春
(「~の候」「~のみぎり」「~の折り}のいずれかをつなげる) - 寒さ厳しき折
- 今年は例年になく暖かな日が続いています
- 松の内も過ぎ日常が戻ってきました
- 穏やかな初春をお迎えのことと存じます
- 大寒を迎え寒さが一層身に染みる今日この頃
- 皆様お元気で新年をお迎えのことと存じます
- 寒中には珍しく、うららかな日が続いております
まとめ
「季節を感じ言葉にする」、これは古く和歌が詠まれた時代から伝わる日本の伝統的な文化です。
外国にも四季がある国はありますが、これほどまでに季節に関わる言語(季語)が多く存在する国は少ないでしょう。
ただ、形式とらわれ過ぎると、形だけの味気ない手紙になってしまいます。
ぜひ皆様自身が実際に感じた季節感を、自身の言葉で手紙に添えてみてくださいね。
【2月の行事カレンダー】
・1日 旧正月
・3日頃 節分(立春の前日)
・4日頃 立春
・6日頃 初午(はうつま)
・8日 針供養
・11日 建国記念日
・14日 バレンタインデー
・19日 雨水(うすい)