今年も暑い夏が近づいてきましたね。
この時期になると、お中元はどうしようか悩むという方も多いことでしょう。
お中元はお世話になっている方や遠方に住む親せき、知り合いに、日頃の感謝の気持ちを品物に託して伝えるものです。
本当の意味ではその気持ちこそがいちばん大切ですが、せっかく贈るからには喜ばれるものをきちんとした形で送りたいですね。
この記事では、お中元の基礎知識と贈るときのマナーをまとめました。
そもそも「お中元」とは?

そもそも「お中元」とはどのような意味があるのでしょうか。
これを紐解くには、古代中国にまでさかのぼります。
お中元は、もともと中国の風習の一つだった「三元」に由来しています。
「三元」とは、1月15日を「上元」、7月15日を「中元」、10月15日「下元」とするものです。
その中で「中元」は、半年間の無事を感謝して祖先の供養をする日とされていました。
これが日本に伝わり、中元の時期と日本のお盆が結び合わさって、上半期の区切りに「感謝を伝える贈り物」をする風習ができあがりました。
それが「お中元」です。
お中元は誰に贈るもの?
お中元は、日頃お世話になっている人に対し、感謝の気持ちを込めて贈るものです。
一般的には目下の人から目上の方へと贈るものとされています。
親・親戚へ
結婚したことをきっかけに、両親や義父母、親戚に贈る人が多いようです。
親戚に贈る場合は、特別な場合でなければ兄弟間で相談するとよいでしょう。
仲人
結婚後、お世話になった意味も込めて贈ります。
挙式だけであれば3年間でよいとされていますが、その後のお付き合いの仕方よって、贈り続けることで仲人様も喜ばれることでしょう。
負担であれば、お歳暮だけにするなど徐々に軽くしていってもいいでしょうし、お中元という形ではなく伺う際に手土産を持って行くような形に変えてもよいでしょう。
勤務先の上司
特にお世話になった場合に贈ることがあります。
現在は、公務員や民間会社でも禁止している場合があります。
せっかく送っても受け取っていただくことができず返送されてくるなど、かえって手間を取らせてしまう場合があるので注意が必要です。
贈る場合には、同僚とバランスをとることも大切です。
品物を購入する金額の目安
お中元にかける金額の目安は3,000円~5,000円程度です。
一般的に家族や親戚には3,000円、お世話になった方には5,000円から高くても10,000円くらいのものを贈ることが多いようです。
あまり高価なものはかえって相手に気を使わせてしまう場合もあります。
いずれにしてもお互いにとって負担にならない程度のものが適切です。
何を贈る?

なんと言っても、相手に喜んでもらえるものがいちばんでしょう。
それがどのようなものか、最大限に想像力をふくらませて考えてみましょう。
相手の年齢、家族構成、住んでいる地域などは考える際の参考になりますね。
さらに好みなどが分かっていれば、より選びやすくなります。
(例)
・お年を召した方には、「ゼリー」「水菓子」など
・お子様のいる家庭には、「アイスクリーム」「ジュース」など
・お酒好きの方には、「ビール」「おつまみ缶詰」など
また、下記のような選び方もあります。
(例)
・忙しい方には、腐りにくく日持ちする品物
・大家族ならば食べきることのできる生鮮食品や果物
・清涼感溢れる涼しげな品物
・贈る側の地域性がでる品物
・贈る側がとくにおすすめする品物
地域によって違う「贈る時期」
気をつけたいのは、地域によってお中元を贈る時期が異なるということです。
知らずに送っても失礼にはなりませんが、お相手の住む地域に合わせて贈ることも大切な心遣いです。
お中元の時期が遅い西日本の各地でも、現在では関東地方に合わせ早まっている傾向にあります。
一方で、古くからの風習や礼儀を重んじる家庭もありますので、特にお年寄りのいるご家庭などには上記の時期に贈るとよいでしょう。
のし紙と表書きのマナー

お中元に適しているのは、一般的に紅白の5本または7本の「蝶結び」ののし紙です。
蝶結びは何度も結び直せることから、繰り返したい祝い事やお礼の際に使われます。
表書きは、濃い色の墨で楷書体で書くのが一般的ですが、最近では筆ペンやサインペンなどで書くことも多く、特に失礼にはあたりません。
蝶結び上の中央には「お中元」「御中元」という表書きを入れ、下にそれよりも少し小さめに自分の名前をフルネームで書きます。
目下の人に贈る場合には苗字だけでも構いません。
◆贈る人が複数いる場合
右から左へ地位や年齢が高い順に名前を書きます。
4名以上なら、中央に代表者一名の名前を書き、左下に「他一同」と表記しょう。この場合、代表者以外の名前は封書で書き添えるとよいでしょう。
お中元の時期に贈りそびれてしまったら
うっかり贈りそびれてしまったり、相手がお盆の時期に家を空けることを事前に知っていてお中元の時期に贈ることができない、という場合もあります。
そのようなときは、「のし紙の表書きを変える」ことで対応できます。
【東日本】
7月15日まで … 「御中元」「お中元」
7月15日~立秋 … 「暑中御見舞」「暑中御伺い」
立秋~9月まで … 「残暑御見舞」「残暑御伺い」
【関西】
8月15日まで = 「御中元」「お中元」
8月15日以降 = 「残暑御見舞」「残暑御伺い」
「暑中御伺い」「残暑御伺い」を使う場合は、目上の方に贈る場合に使いましょう。
お中元のお返しは必要?
お中元はふつう、目下から目上の方に日ごろの感謝を込めて贈るものですから、受け取った側からのお返しは必要はありません。
ただし、感謝を意を込めてお礼状を出すのがマナーです。
これは今後も気持ちの良いお付き合いを続けるためでもありますが、贈り物を確かに受け取りましたよ、という受領の報告にもなります。
お中元を贈ったらお歳暮も贈る?
お中元を贈った相手にはお歳暮も贈るのが一般的な考え方です。
どちらか一方だけを贈るとしたら、一年の感謝の気持ちを込めて年末お歳暮を贈りましょう。
どちらかが喪中の場合は?
贈る側、受け取る側のどちらかが喪中の場合でも、お中元は贈ってもかまいません。
しかし、相手の気持ちを考えると、亡くなってから日が浅い場合(目安としては四十九日を過ぎていない場合)は時期をずらすのが心遣いです。
その場合は、「暑中御見舞」「残暑御見舞」などの時期にあった表書きにし、さらに遺族を慰める言葉を一言添えると気持ちが伝わりやすいでしょう。
まとめ
何度もお伝えしてきたように、お中元はその年の上半期の感謝の気持ちを品物にして贈るという素敵な習慣です。
なかなか顔を見に行くことができない遠方の方や、お世話になったけれど感謝を伝えることができていないお相手・・・
お中元を贈って、これからもよいお付き合いを続けていくきっかけにされてはいかがでしょうか。
7月15日~8月15日
7月1日~7月15日
7月1日~7月15日
7月1日~7月15日(※地域によって異なります)
7月15日~8月15日
7月15日~8月15日
7月15日~8月15日
8月初旬~8月15日
旧暦の7月15日