病気見舞いのマナー常識非常識~タイミングや品物選びのNG!のし袋の書き方まで~

知人や友人が病気やケガなどで入院、もしくは自宅療養していると知ったあなたはどうしますか?

「え!それは大変!すぐにお見舞いに行かなきゃ」

こう思う方もいるかもしれませんが、これはNG。

相手の病状や症状が心配で、今すぐにでもお見舞いに行きたい気持ちは分かりますが、相手を思いやればこそ、慎重に行動することが大切です。

 

この記事では、病気見舞いに行く際の注意点や、お見舞いの品物選び、お金を贈る場合の“のし袋”の使い方などを紹介していきます。

 

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まずは相手の状態を確認する

お見舞いは相手の状況に合わせた、配慮ある対応をすることが最も大切なことです。

 

お見舞いに行くことが最善かを考えよう

まずは相手の状態を確認しましょう。
ご本人と連絡が付かない場合は、ご家族に傷病の状況をよく確認したうえで判断しましょう。

怪我や入院直後、手術の前後は、痛みや苦痛をともなうものです。

面会ができたとしても、このような状態ではかえって心身ともに辛い思いをさせてしまいます。
症状に対する配慮はもちろんですが、当人にとっては弱々しい姿というのは極力見せたくないもの。この気持ちを察してあげることも大切な思いやりです。

相手の立場に立って、お見舞いに行くことが最善であるか、今行くべきかは慎重に考えましょう。

 

タイミングを考え事前にアポをとる

お見舞いをする最もよいタイミングは、病状が落ち着いて回復に向かい始めた頃です。

また、お見舞いに行く際にはできるだけ事前にアポを取りましょう。

 

病院の面会時間を確認したり、できるだけ他の見舞客と重ならないよう配慮したいものです。
自宅療養中なら家族の都合もあるでしょう。

何よりも、患者本人の体調が良いか、お見舞いに行っても大丈夫な状態であるかは最も優先すべきですね。

約束はしていても、「その時に体調が悪ければ遠慮なく言ってね」と伝えておくことは、相手の負担も軽くなり優しい心遣いですね。

 

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お見舞いの際の注意

できるだけ少人数で短時間に

お見舞いにはなるべく少人数で伺うのがマナーです。

大人数で押しかけたり、小さなお子さんを連れていくことは避けましょう。

少人数でも、声が大きくならないように注意。
病院であれば、同室の患者様にも配慮が必要です。

 

また、相手への負担を考慮し、面会時間は15~20分程度で済ませましょう。

個室や自宅など、患者様本人に「もっと話したい」「もっといてもらいたい」という意向があれば、体調など負担にならない範囲で良い時間を過ごせたらいいと思います。

ご家族がいる場合は様子をうかがってもいいですね。
本人は良くても、家族は当人の体調に不安を抱えている場合があるからです。

 

会話に気を配る

会話に気を配ることも重要なマナーです。
患者様本人は、肉体的にも精神的にも疲弊しておられることでしょう。

「静かに静養してほしい」「いなくて寂しい」という気持ちを表す、やさしい声掛けをしましょう。

また、相手が気になっている近況を伝えたり、相手が喜びそうな出来事を話すのもよいかもしれません。

 

一方、注意が必要な会話もあります。

相手の病状を、あれこれと細かく聞くのはタブー。
病気はデリケートな領域ですので細心の心遣いが必要です。

また、回復を焦らせるような仕事の話もよくありません。

病気やケガは、身体のみならず心の療養も大切です。
相手が負担に感じるような会話は避けましょう。

 

服装やメイクに気を配る

お見舞いの際には、服装やメイクにも気を配りましょう。
派手な服装やメイクは避け、香水もタブーです

場所をわきまえた清潔感のある服装で、相手にとってできるだけ自然で気分よく面会できるようにしたいものです。

 

これは、身だしなみのマナーで大切な、「共感性」と深い関りがあります。

病院スタッフやご家族に対してはもちろんですが、何よりも患者様本人にとって、こういった気遣いが、状況を共有してくれていることへの安心につながるからです。

派手な服装やメイクでは、今自分が置かれている状況とのギャップに心の距離を感じてしまうでしょう。

お見舞いに限らず「身だしなみ」で注意することは、ただ印象良く見られたいというだけではなく、無意識レベルで、相手と心地よい時間を共有できることが何よりも重要なポイントになります。

 

同室の患者さんにも挨拶を

複数名の同室患者がいる場合、顔を見たら必ず挨拶をしましょう。

お見舞いに行く側は、同室の患者様と顔をあわせるのは一時だけです。

ですが、見舞う相手からしてみると、同室患者様とは一日中同じ部屋で過ごしています。数日から人によっては長期間になる場合もあります。

同室の患者様に気持ちのよい挨拶をすることは、入院している本人が気持ちよく過ごすためでもあることを心得ておきましょう。

 

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お見舞品を贈るときのマナー

病気見舞いの贈り物

お見舞いにどのような品物を贈ったらよいのか悩まれる方も多いでしょう。
何か必要なものがあるか聞ける状況でしたら、うかがってみてもいいですね。

以下に、人気の高いお見舞い品の例を挙げてみました。

  • 商品券・電子ギフトカード
  • アレンジフラワー
  • タオル・パジャマ
  • リラックス雑貨
  • ドリンク(※)
  • お菓子(※) など。

(※食べ物は相手の症状を把握しておきましょう)

入院中は何かとお金がかかるので、現金も喜ばれます。

現金を贈ることに抵抗がある方には、商品券や電子ギフトカード、病院のテレビカードなどもオススメ。

最近はコンビニで手軽に購入出来る電子ギフトカードもたくさんあります。
相手の好みが分かってれば使い勝手もいいので大変喜ばれますよ。

 

お見舞品の金額の相場

家族・親族 5,000円~10,000円
友人・知人 3,000円~5,000円
職場関係  3,000円(一人あたり)
ご近所   3,000円

(地域や立場などによって変わりますので、事前に確認しておきましょう。)

 

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こんなお見舞い品はNG!

 食べ物のNG

相手の病状によっては食事制限があり、せっかく持参したものを食べることができないという場合があります。
相手の症状に配慮した品選びをしましょう。

一方、食事制限のない方にとっては、入院中にあまりおいしい食事が食べられないので、食べ物やドリンク、お菓子などのお見舞いが嬉しいと感じる方も多いようです。

また、個包装されたお菓子などは、同室の患者さんや他の見舞客に配ることができるので喜ばれる場合もあります。

 

お花のNG

お見舞品として人気の高いフラワーギフトですが、「鉢植えの花」は避けましょう

鉢植えの花は、「根付く」ことから病気や怪我の回復が長引くことを連想させてしまうからです。

また、相手の体調や同室の方に配慮し、香りの強い花は厳禁です。

さらに、葬式などでよく使われる白や黄色の菊や、花が落ちやすい椿などもお見舞いの品物としてはふさわしくありません。

 

数字にまつわるNG

見舞金の金額、花の本数、果物の数などは、4,6,9が絡む金額は避けましょう。
「死」「無」「苦」を連想させるとされています。

 

病気見舞い品の贈り方

のし紙のマナー

お見舞いの品物を贈る際の「のし紙」は、水引きのあるもの、ないものどちらでもかまいません。

水引きをつける場合は、病気やケガが二度と起きないようにとの願いを込め、結びは「結びきり」か「あわじ結び」にします。

なんど繰り返してもよい出産などで使われる「蝶結び」を、お見舞いに使うのはNGです。

また、封筒右上にある熨斗(のし)が付いているものは慶事(祝い事)のみに使われるものです。
お見舞いには熨斗が付いていないもの選んでください。

相手が前向きになることが難しい症状である場合もあります。
重篤な場合、過失のある事故、流産といった場合です。

このような場合は水引きのついていない「掛け紙」を使うとよいでしょう。

 

のし紙の書き方

表書きに書くのは「御見舞」、水引き下に自分の名前をフルネームで黒の筆ペン、フェルトペンなどを使って書きましょう。

連名で贈る場合は、右から左へ地位や年齢が高い順に名前を書きます。

4名以上なら、中央に代表者一名の名前を書き、左下に「他一同」と表記しょう。この場合、代表者以外の名前は封書で書き添えるとよいでしょう。

 

お見舞金のマナー

品物で送るのが一般的ですが、相手の状況や好みが分からない場合など、現金の方が良い場合もあります。
何かと物入りな入院生活では、やはりお金は有難いものです。

この場合、あくまでもお見舞い品の代わりであることを一言添えると、気持ちが伝わるでしょう。

目上の人には現金を贈るのはタブーとされていますが、お見舞いは例外として許容されています。

 

金額の相場

お見舞い金の相場は以下の通り。

家族・親族 5,000円~10,000円
友人・知人 3,000円~5,000円
職場関係  3,000円(一人あたり)
ご近所   3,000円

地域や立場によっても異なりますので、事前に確認しておきましょう。

※4,6,9が絡む金額は避けましょう(「死」「無」「苦」を連想させるとされています)。

 

のし袋(封筒)の選び方

封筒(のし袋)は、水引があるもの、ないものどちらでもかまいません。

水引きがある場合、病気やケガが二度と起きないようにとも願いを込め、結びは「結びきり」か「あわじ結び」にします。

なんど繰り返してもよい出産などで使われる蝶結び」を、お見舞いに使うのは厳禁です。

また、右上に熨斗(のし)があるものはお祝い用ですので、熨斗のないものを使ってください。

 

ただし、前向きになることが難しい症状である場合もあります。重篤な場合、過失のある事故、流産といった場合です。

このような場合は水引きのついていないお見舞い用の封筒か、白い無地の封筒を使いましょう。

 

のし袋(封筒)の書き方

表書きは「御見舞」。黒の筆ペン、フェルトペンなどを使って書きましょう。
下には自分の名前をフルネームで書きます。

目上から目下の人に贈る場合は、苗字だけでもかまいません。

 

お見舞いの金額は、書いても書かなくてもかまいません。

結婚式など、大勢の招待客の中で分かりやすいように住所や名前、金額なども書くのが一般的。

金額は、のちのち相手がお返しをする際に役立つかもしれませんが、お見舞いの場合には書かなくても失礼にはあたりません。

 

のし袋(封筒)へのお金の入れ方

お見舞金は旧札を使います。
新札はあらかじめ用意していたと思われる方もいますので、新札の場合は一度折り目をつけましょう。

お金は表を向け、肖像画が上にくるように入れます。
これは慶事のときの入れ方と同じですが意味合いが違います。

慶事のような「喜ばしいこと」ではなく、「前向きに元気になってください」という願いを込めます。

 

まとめ

入院生活や療養生活は、お見舞いに行く側が思っている以上に本人にとってはデリケートな領域です。

だからこそ相手の立場や気持ちを考え、お見舞いに伺う際には慎重にならなくてはなりません。

また、このような場面は少ないかもしれませんが、「行かなきゃ失礼かな」「行っておいた方がいいかな」とマナーを形だけで考えると誤った思考に陥りがちです。

相手を思いやり、よりよいお見舞いの仕方やタイミングを考えることが正しいマナーのあり方ですね。

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