あらたまった手紙は、封筒の書き方にも気を配りましょう。
封筒にも決まりがあるの?
と思われるかもしれませんが、一定のルールに添って書くことで見た目にも美しく書くことができます。
当然のことながら、相手が手紙を受け取り最初に目にするのが封筒ですね。
手紙を書くことも受け取ることも少なくなった現在、手紙が届くいうのは思った以上に嬉しいものです。
さらに、それが一文字ずつ丁寧に書かれた封筒であれば、差出人の心遣いを相手は敏感に感じるものです。
この記事では、基本となる封筒の書き方を紹介しています。
印象のよい手紙を送るために、ぜひお役立てください。
封筒の書き方【基本のルール】
まずは、どんな封筒の書き方にも共通するポイントです。
文字の配置
封筒の宛名書きは、四方に一定の余白をとります。
記事内では、「郵便番号枠にそろえる」「1㎝(一文字分)空ける」といった説明をしていますが、これはあくまでも目安です。文字の数に合わせバランスよく配置するよう心がけましょう。
封筒の受取人にあたる氏名(宛名)は、いちばん大きく封筒の中央に書きましょう。
縦書き・横書きをそろえる
親しい間柄であれば、横書きで書く場合もあります。
また、洋封筒に縦書きで書く場合もありますね。
ここで大切なのは、縦書き・横書きは、表面(宛先)と裏面(差出人)を必ずそろえるということです。
表の宛先を縦書きにしたら、裏の差出人も縦書きにします。
数字の書き方
- 郵便番号…算用数字(123-0000など)
- 住所の番地・部屋番号
縦書き…漢数字(一、二、三・・・〇)
ただし、「十(じゅう)」は使わず「〇」を使います)
「丁目」「番地」は省略し、「|」(縦棒)を使います。
横書き…算用数字(1,2、3・・・0)
「丁目」「番地」は省略し「ー」(ハイフン)を使います。 - 日付…縦書きは漢数字(日付は「十(じゅう)」を使う)、横書きは算用数字です。
封じめ
和封筒を使用するときは、必ず封じめを書きます。
「〆」「封」「緘」、お祝いは「寿」「賀」、女性が使える「蕾」など。
この中でも「〆」は、もっとも一般的な封じめですが、けっして「✖(バツ印)」ではないので注意しましょう。
慶事・弔事の違いの注意
洋封筒を縦書きで書く場合、「一般的な手紙や慶事」と「弔事」の場合では封筒の向きが違います。
「一般的な手紙や慶事」は右封じ、「弔事」は左封じです。
特に弔事の場合、郵便番号枠が印刷されているものは使えないので、封筒を購入するときには注意しましょう。。
和封筒の書き方

和封筒【表(住所・宛名)】の書き方
◆郵便番号枠がある場合

◆郵便番号枠がない場合

和封筒【裏(差出人)】の書き方
◆郵便番号枠がある場合

◆郵便番号枠がない場合

- 封じめ
和封筒は封じめを書きます。
一般的な「〆」のほか、「封」「緘(かん)」などがあります。
お祝い事では、「寿」「賀」を使うこともあります。
女性は「蕾」も使えます。 - 日付
封かん日を入れると、より丁寧です。
位置は、差出人の住所を左下に書いたときは右上に、差出人を中央に書いたときは左上に書きます。 - 差出人住所・氏名
差出人の住所氏名は、中央に書くのが正式な書き方ですが、最近は左側に郵便番号枠が印刷されていることが多いため左側が一般的です。
洋封筒(横書き)の書き方

親しい間柄であれば、洋封筒を使うことも多いでしょう。
ここでは洋封筒を使った横書きの場合の書き方を説明します。
洋封筒【表】の書き方(横書き)
◆郵便番号枠がない場合

◆郵便番号枠がある場合

- 切手
切手は右上に、向きは文字に合わせます。
複数枚貼るときはたてに並べます。結婚のお祝いはなるべく1枚にし、複数になる場合には奇数にしましょう。 - 住所
住所の上は余白をとりましょう。
左端から二文字分開けたところが書き出しです。(郵便番号も)
「〒」は機械で読み取れないので書きません。 - 数字
「丁目」「番地」「号」は省略し、「-」(ハイフン)を使います。
横書きのときの数字は算用数字を使います。 - 建物名
あらたまった手紙では、マンションなどの建物名も略さずに書きましょう。 - 宛て名(氏名)
お相手の名前は、封筒の中央にバランスよく大きめに書きます。
敬称は「様」が一般的です。 - 郵便番号
枠がない場合は住所の上に書きます。(〒マークは機械で読み取れないため書きません)
郵便番号枠がある場合は、縦書きのときと同様に枠内に算用数字で記入します。この場合は住所の上の余白を少し広く取りましょう。
洋封筒【裏】の書き方(横書き)

- 日付
封かん日を入れる場合は、左上に書きます。 - 封じめ
洋封筒は封じめは必要ありませんが、あっても失礼にはなりません。
親しい間柄であればシールやスタンプなどもよいでしょう。 - 差出人住所・氏名
封じ口の下、中央もしくは右寄りに書きます。
数字は算用数字です。
洋封筒(縦書き)の書き方
洋封筒【表】の書き方(縦書き)

- 切手
切手は左上が定位置です。複数枚貼るときはたてに並べます。
結婚のお祝いはなるべく1枚にし、複数になる場合には奇数にしましょう。 - 住所
住所の右は、1㎝ほど余白をとります。
郵便番号枠から一文字分下げたところから書き始めます。 - 数字
「丁目」「番地」「号」は省略し「|」(縦棒)を使います。履歴書用など省略せず書く場合もあります。縦書きのときの数字は漢数字です。ただし、十(じゅう)は使いません。(一、二、三、四、五、六、七、八、九、〇) - 建物名
あらたまった手紙では、マンションなどの建物名も略さずに書きましょう。 - 宛て名(氏名)
お相手の名前は、封筒の中央に住所より一文字下げ、住所より大きく書きます。
敬称は「様」が一般的です。敬称の下は2.5㎝ほど余白を残します。会社名など長くなる場合でも一文字分は余白をとりましょう。
洋封筒【裏】の書き方(縦書き)

注意 ※弔事以外は、必ず封じ口が右になるように書きます。
- 封じめ
洋封筒は基本的に封じめは必要ありませんが、書いても失礼にはなりません。
封かんを書く場合、一般的な「〆」のほか、「封」「緘(かん)」などがあります。
お祝い事では、「寿」「賀」を使うこともあります。
女性は「蕾」「つぼみ」も使えます。 - 日付
封かん日を入れると、より丁寧です。
位置は右上です(弔事の場合は逆)。 - 差出人住所・氏名
差出人の住所氏名は、左下に書きます。
慶事・弔事の手紙の封筒
洋封筒は、横書きが一般的ですが、慶事や弔事のお知らせなど特別あらたまった手紙は縦書きにする場合があります。
ここで特に注意しなくてはならないのは、封筒の向きです。
慶事(一般的な手紙も)は「右封じ」、弔事は「左封じ」と覚えておきましょう。
※表面(宛先・宛名など)の書き方は、前項の洋封筒の縦書きと同じです。
◆弔事以外(慶事・一般的な手紙)

※慶事や一般的な手紙(弔事以外)は、必ず右が封じ口になります。
郵便番号枠が印刷されてない場合は特に注意しましょう。
- 封じめ
お祝い事では、「寿」「賀」を使うことがあります。
封筒を縦書きで使うときは、封じめも縦に書きます。 - 日付
封かん日を右上に書きます。 - 差出人住所・氏名
差出人の住所氏名は、左下に書きます。
◆弔事

※弔事は、必ず左が封じ口になります。
郵便番号枠が印刷されている封筒は使えないので、必ず裏を確認してから表を書きましょう。
- 封じめ
封じめを書くときは、差出人の住所などに合わせ縦の向きに書きます。
「〆」「乄」は一般的ですが、決して「✖(バツ印)」にならないように気をつけましょう。 - 日付
封かん日を左上に書きます。 - 差出人住所・氏名
差出人の住所氏名は、右下に書きます。
まとめ
丁寧に書かれた封筒は、とても印象が良いものです。
特にあらたまった手紙は、「お礼」「お見舞い」「お悔やみ」などの内容が込められたものが多いですね。
そのような場合には、手紙の本文だけではなく、封筒の書き方からも気持ちが伝わるものです。
字が上手であることは理想的ではありますが、ここで大切なことは字の上手さよりも丁寧さです。
手紙を送るという行為は儀礼的なものではなく、「気持ちを伝える」ことが第一の目的であるべきです。
現在は、メールやSNSで気軽にメッセージを送ることができる便利な時代ですね。
だからこそ、自分の字で手紙を送ることはとても意味のあることだと思います。
今回お伝えしたポイントを参考にして、大切な人に一文字一文字心を込めて手紙を書いてみてくださいね。
切手は左上が定位置です。複数枚貼るときはたてに並べます。
結婚式の招待状や結婚のお祝いの手紙の場合はなるべく1枚にしましょう(慶事用切手も販売されています)。複数枚使うときは奇数になるようにします。
住所の右の余白は、郵便番号枠の右端のラインにそろえます。
郵便番号枠がない場合は、一文字程度(1㎝位)開けましょう。このとき郵便番号の末尾もそろえると美しく見えます。「〒」は機械で読み取れないので書きません。
書き始めは、郵便番号から二文字分下げた位置から書きます。
「丁目」「番地」「号」は省略し「|」(縦棒)を使います。履歴書用など省略せず書く場合もあります。
縦書きのときの数字は漢数字です。ただし、十(じゅう)は使いません。
(一、二、三、四、五、六、七、八、九、〇)
あらたまった手紙では、マンションなどの建物名も略さずに書きましょう。
お相手の名前は、封筒の中央に住所の書き出しより一文字下げ、住所より大きく書きます。
敬称は「様」が一般的です。