結婚式のご祝儀袋、葬儀の際の香典、これらを持参する際に包んでいくのが袱紗(ふくさ)です。
袱紗は,、「冠婚葬祭」などの大切な場面で使われることが多いものです。
あらたまった席であれば、袱紗の正しい使い方を是非とも知っておきたいものですね。
この記事では、袱紗の意味と正しい使い方を紹介しています。
そもそも袱紗って何のために使うの?
辞書で調べると、袱紗(ふくさ)は下記のように表現されています。
儀礼用の方形の絹布。絹・縮緬 (ちりめん) などで一重または二重に作り、無地やめでたい柄・刺繍 (ししゅう) を施したもの。進物の上に掛けたり、物を包んだりするのに用いる。掛け袱紗。包み袱紗。(引用:goo辞書)
この記事で紹介する、金封を包むために用いられるのは「包み袱紗」。
一方、「掛け袱紗」は品物に掛けて使用するものです。結納で使われる家紋入りの掛け袱紗は、広蓋・切手盆に品物を乗せ、その上から掛けて使用します。
このほかにも、茶の湯で使われる袱紗もあります。
袱紗(ふくさ)の由来は、貴重品を納めてある箱の上に、ほこりや汚れ避け、日焼け防止として掛けられていた風呂敷が始まりであると言われています。
現在では、おもに冠婚葬祭の際に熨斗(のし)袋を包む用途として使われています。
結婚式の祝儀袋、葬儀での香典などを持ち歩く際、汚れやシワ、水引の崩れを防ぐことが第一の目的です。
同時に、袱紗で包み丁寧に扱うことは、相手を大切に思い、相手と嬉しさや悲しさを共有するという気遣いでもあります。
袱紗(ふくさ)を使うことは儀式的な意味だけではなく、相手を思いやる大切なマナーです。
袱紗の種類(形)
袱紗の形は、大きく「包むタイプ」と「挟むタイプ」に分けることができます。
包むタイプの袱紗

一般的に使われるのが「正方形の風呂敷タイプ」のものです。
これに包み口が開かないように留められる爪が付いているものが「爪付きタイプ」です。
風呂敷タイプや爪付きタイプは、小さく折りたたむことができるので、小さなかばんを持ち歩くときには便利ですね。
風呂敷タイプに熨斗(のし)袋をのせる台が付いている台付きタイプもあります。
熨斗袋の折れや型崩れを防ぐことができます。
また、これらの爪と台が両方付いているタイプもあります。
挟むタイプの袱紗

挟むタイプの代表的名なものが「金封袱紗」です。
封筒のように挟むだけなので、開閉がとても簡単で一連の動作もスムーズに行うことができます。
前述した風呂敷タイプの袱紗が正式ではありますが、金封袱紗は使いやすさから最近では老若男女問わず人気です。
袱紗の種類(色・柄)
袱紗には、色や柄など様々な種類のものがあります。
思わず自分好みのデザインのものを選びたくなってしまいますね。ですが、ちょっと待ってください。
正式な袱紗の使い方には、結婚式などの慶事で使用するものと、葬式・法事などの弔事にふさわしいものとがあります。
特に「色」は、選ぶときの重要なポイントです。
慶事にふさわしい色・柄

慶事にふさわしいのは、赤・オレンジ・黄色などの暖色系です。

慶事で使う袱紗に描かれる絵柄としてふさわしいのは、鶴・亀・鳳凰・松・竹・梅などです。
そのほかにも草花などが刺繍で描かれた袱紗もあります。
これらは比較的華美になりやすいので慶事で使いましょう。
弔事にふさわしい色
弔事にふさわしい色は、紺・グレーなどの寒色です。

また、弔事で使う袱紗に描かれる絵柄としてふさわしいのは、蓮・菊・蘭などです。
男性は柄のない紫色が無難です。
お悔やみ事の場合は、相手の気持ちを察し、華美にならないものを選ぶ配慮が大切です。
「紫」は慶弔どちらもOK!

紫は慶弔どちらでも使用することができます。
ただし、「薄紫」は暖色に含まれ、慶事用とされる場合が多いので、なるべく濃い紫を選ぶと安心ですね。
1枚用意するなら「紫」がおすすめです。
袱紗の正しい使い方
ここからは袱紗の正しい使い方です。
こちらも慶事と弔事では包み方が異なります。
慶事の際の包み方

- 袱紗をひし形に広げ、熨斗袋を中央より左にのせる。
- 袱紗の角を中に折り込む。
【折り込む順番】左→上→下 - 最後にかぶせるように右側を折り込み、余った部分は裏へ折り返す。
弔事の際の包み方

弔事の包み方は、慶事の際とは左右上下の順番が変わります。
- 袱紗をひし形に広げ、熨斗袋を中央より右にのせる。
- 袱紗の角を中に折り込む。
【折り込む順番】右→下→上 - 最後にかぶせるように左側を折り込み、余った部分は裏へ折り返す。
袱紗は絶対に必要?
袱紗(ふくさ)の第一の目的は、「贈り物を汚さずに運ぶこと」です。
御祝儀や香典は相手に贈る大切なものですので、裸で持ち歩くことは極力避けたいものです。
また、わざわざ袱紗を使う必要があるのか?
と言われれば、本来の意味においては、必ずしも袱紗を使うことにこだわる必要はないという考え方もできます。
フォーマルだった結婚式も、現在では親しい人たちだけを招待してパーティー形式にするなど、時代とともにカジュアルになってきました。
それにともなって、袱紗を使わない場面も許容されてきていますね。
繰り返しになりますが、袱紗を使うのは相手を大切に思えばこその気遣いです。
袱紗がなければ、きれいなハンカチや小風呂敷に包むなどで代用しても良いでしょう。
贈る相手の顔を思い浮かべ、とにかく丁寧に取り扱うことが大切ですね。
① 包むタイプの袱紗
② 挟(はさ)むタイプの袱紗
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